一アマ 法規 周波数・目的・通信相手・通信事項…etcの組み合わせシリーズ
周波数・目的・通信相手・通信事項…etc
電波法の条文には下記のように周波数・目的・通信相手・通信事項…etcといった文言がたびたび出てくる。
総務大臣は、免許人又は第八条の予備免許を受けた者が識別信号、電波の型式、周波数、空中線電力又は運用許容時間の指定の変更を申請した場合において、混信の除去その他特に必要があると認めるときは、その指定を変更することができる。
免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、放送事項、放送区域、無線設備の設置場所若しくは基幹放送の業務に用いられる電気通信設備を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる事項を内容とする無線局の目的の変更は、これを行うことができない。
法規の問題では、「電波の型式および周波数・呼出し符号・空中線電力・運用許容時間」や「通信の相手方・通信事項・設置場所」などの組み合わせを答える問題が出る。しかしどんな時にどんな項目が必要なのかは、非常にややこしく、意識して覚え分けておかないと引っ掛けられる。そこで本記事はこれらの項目に関してまとめようと思う。
無線局免許状に記載している事項
これらの項目の出所は無線局免許状に記載されている項目である。なので何よりもまず無線局免許状を見てみることが先決だ。下記に、無線局免許状のサンプルを示す。(画像は下記リンクから拝借)
画像引用:一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会
https://www.jard.or.jp/warranty/saimenkyo/index.html
無線局免許状に書かれている項目を整理すると以下となる。
- 免許の番号
- 識別番号
- 氏名又は名称
- 免許人の住所
- 無線局の種別
- 無線局の目的
- 運用許可時間
- 免許の年月日
- 免許の有効期間
- 通信事項
- 通信の相手方
- 移動範囲
- 無線設備の設置場所/常備場所
- 電波の型式、周波数および空中線電力
- 備考
無線局免許状に書かれている項目の組み合わせ一覧
以下のように整理すると分かりやすくなった。
□□予備免許中の話
- 予備免許での指定事項 : 工事落成の期限、電波の型式、周波数、呼出符号(識別信号)、空中線電力、運用許可時間
- 予備免許中の工事設計でそもそも変更不可能な項目:周波数、電波の型式、空中線電力
- 予備免許中の工事設計で総務大臣事前許可で変更可能な項目:無線局の目的、通信の相手方、通信事項、設置場所
- 予備免許中の工事設計で単なる事後報告で変更可能な項目:上の2つ以外。
- 予備免許中に申請すれば総務大臣権限で変更可能な項目:識別信号、電波の型式、周波数、空中線電力、運用許可時間 ※混信の除去その他必要と認める時に限る。
□□免許中の話
- 免許後に総務大臣事前許可で変更可能な項目:通信の相手方、通信事項、設置場所、無線設備 ※逆にこれ以外は変更不可能。
- 免許後に申請すれば総務大臣権限で変更可能な項目:識別信号、電波の型式、周波数、空中線電力、運用許可時間 ※混信の除去その他必要と認める時に限る。
□□免許記載事項の話
- 免許状記載事項の遵守:全部守るべき!
- 免許状記載事項のうち遭/緊/安/非/放受/試験/調整/訓練/人命の時だけ破っていい項目:無線局の目的、通信の相手方、通信事項
- 免許状記載事項のうち遭難通信の時だけ破っていい項目:設置場所、呼出符号(識別信号)、電波の型式、周波数、空中線電力
□□違反時の話
- 電波法・放送法違反時、期間制限を食らう項目:運用許可時間、周波数、空中線電力
□□総務大臣の権限行使
- 総務大臣権限で変更を命じられる項目:周波数、空中線電力、人工衛星の設置場所 ※電波の規整その他公益上必要があるとき
まとめ
予備免許中の話が一番複雑なんだねえ。