【一陸技】工学A 令和5年1月期第1回 B-4 解説
振幅と位相が両方変調された波の復調過程に関する問題である。こちらの問題も、基本的には本文を読んでいきながら計算していくだけである。
(1)
元の搬送波をcos(ωct)としたとき、この搬送波の振幅をE0(t)で振幅変調し、位相をφ0(t)で位相変調すると、変調後の波は、E0(t)cos{ωct + φ0(t)}となる。受信機側ではこれを復調して情報E0(t)、φ0(t)を取り出す必要がある。
包絡線検波は、上の波形をLPFで平均化して周期の遅い包絡線成分E0(t)だけを取り出す。従って、位相情報φ0(t)は失われる([ア]=1)。
(2)
同期検波の場合は、上の波形に搬送波のきれいな波形を掛算してLPFを通すことで差周波数のみを取り出す方法である。
s0(t)× ss(t) = E0(t)cos{ωct + φ0(t)} × cos(ωct + θs)}
= (1/2) E0(t) [ cos(θs – φ0(t)) + cos{2ωct + φ0(t) + θs }] ※積和の公式より ([イ]=7)
⇒(LPFで高周波成分除去([ウ]=5))⇒ (1/2) E0(t) cos(θs – φ0(t)) ([エ]=8)
さらに、φ0(t)=0のとき、出力は (1/2) E0(t) cos(θs) ([オ]=9)
θs = 0, π/2の2種類のLo信号で復調する方法がいわゆる直交復調であり、それを用いると、E0(t)、φ0(t)が同時に取得できる。
以上